写真家、モデル
HÉRNIをスタートさせるにあたり、私たちが考えるHÉRNIという一人の女性についてイメージをめぐらせました。
スウェーデンで生まれ育ったナタリー。写真家でアーティストでもある彼女に出会って、私たちは自分たちの「HÉRNI」というイメージをさらに構築できたと思っています。
多彩な活動の裏に自分自身に軸をもちながら、自然に生きている。そんなは彼女に私たちはHÉRNIを強くイメージしたのかもしれません。
そして私たちを惹きつけた彼女についてもっと知りたいと思いました。
- 日本とのつながりは?
「19歳、高校卒業を機に一人旅を思いついて、初めて日本に来ました。スウェーデンから一番離れているところに行ってみたくて、日本が面白そうだった。おばあちゃんがおそらくスウェーデンと日本のハーフだから、縁もあるし。
来てみて実際におもしろくて。だから日本語は旅行からスウェーデンに帰ってから勉強をはじめました。」
- 日本のどこがおもしろかった?
「文化だったり、人もそうだし…いろいろと自分にあってるなと思って。
もともと言語とか語学が好きだった、ラテン語とかロシア語とかイタリア語とか勉強してて、アジアの言葉は勉強したことなかったから。
大使館で文部科学省の試験があって1年くらい留学できることになって、勉強しながらアルバイトでモデルをはじめました。2年くらいそうしていたら飽きてきて(笑)
他人のつくったコンセプトやイメージにのっかるのではなく、自分をつくりたいと思うように。ちょうどそのときにエンターテイメントビザからワーキングビザに切り替えるチャンスもあって、そのタイミングで企業に入って仕事をすることになりました。
そこは複数のブランドを持つメーカーで、その中で、ブランディング、写真撮影、コピーライティング、翻訳などの仕事をしました。その後東京に出てきて、少しずつ写真をメインに活動しています。」
- 写真はメーカーの仕事がきっかけで?
「13歳か14歳くらいから。おじいちゃんからもらったカメラで外の景色を撮っていました。
独学だけど、映画の影響はすごく受けていたと思う。
私の家庭がちょっと不安定で、映画の中に逃げたい気持ちがあって。6、7歳くらいから、部屋に閉じこもって、すごくたくさんの映画を見てきた。だから映画のフレーミングとか、何が美しいのかとかは、無意識的にその時みた映画の影響があると思う。
映画を好きになったのは、心が落ち着いたから。他の人にそういうエネルギーを与えられたらいいなぁと思って。」
- 映画に関する仕事をしたいなぁと思わなかった?
「大学を考えたときに、フィルムメイキングの学校の学費が高かったことと、そういうことやっている女性があまりいなくて。自信がなかったのかもしれない。でも、今になって動画も撮り始めている。正しいとか正しくないとかないから。やればそれでいいというか。過去あきらめたことも今になって取り組んでいます。
それで今、これまで生きてきたことを振り返っています。自分の両親を理解するため、自分がなんでこういう人間になったのかを考えている。コロナもきっかけだけど、30代になったということもあって。
両親は他界していて話すことができないから、自分の心で会話して、理解しようとしている。
あと、生まれた環境、まわりの人によって自分のパーソナリティがつくられていることも分かった。
自分の価値観は変わらないけど、ニュアンス、自分に合っている道を探しています。そして、常に成長していることを実感している。たとえば、子どものころは、失敗は怖くて、自分にフラストレーションがたまることも多かったけど、気にすることが減ってきた。許せる自分になってきたことか(笑)」
今回のインタビューの中で掘り下げたわけではないけれど、ナタリーの人生における葛藤も垣間見えたりして。そんな葛藤も自身との対話の中で選び、昇華させてきたのだろうと感じました。
- 最後に撮影でエルニを着てみた感想を聞いていい?
「素材がとにかく気持ちよかった。あと、解放感があるなと思って。」
- エルニをイメージして写真を撮ってくださったのですよね?
「花なんだけど、やわらかいイメージ。ちょっとアブストラクト、それでフェミニン。フィーリングで選びました。まっすぐだけど、フェミニンさもあるし美しさもあるし。」
- どんなときにシャッターを切るの?
「深く考えてないかも。何かみるときに頭をからっぽにして撮るから。テクニカルよりフィーリングで生きてるから(笑)」
写真1,2,4,6,7,8枚目:Nathalie Cantacuzino撮影
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